賃金・退職金の時効

 

労働基準法第115条において賃金と退職金の時効について定めがあります。

 

  • 退職手当以外の請求権は2年間
  • 退職手当の請求権は5年間

 

つまり退職金だけが5年で、その他の月給などは2年間となります。

また有給休暇も時効は2年間とされます。(昭22.12.15 基発501号)

以下を参照。

労働基準法の有給休暇についての法律知識

 

残業代請求を受けた場合などに特に重要となる時効

 

上記の時効は残業代請求を受けたときに特に重要となってきます。

残業代請求を内容証明等で受けたときに、不用意に相手に返答すると上記の時効を超えた期間の請求権を与えることがあります。

 

内容証明と時効

 

従業員に弁護士などの代理人がつき内容証明で残業代請求をしてくることがあります。

内容証明を専門家が活用するのは、これにより時効中断の法的効果があるからです。

これによって、示談交渉などで時間が経過して請求権が古い部分から消滅していくということは避けられます。

このように専門家が請求してくる場合、上記の時効の部分しか請求してこないことが多いので特に問題はありません。

しかし従業員本人がしてくる場合、消滅時効を超えて昔の時期の賃金などを請求してくることがあります。

このようなケースでは、時効の援用を主張しなければいけません。

下手に残業代請求金額の交渉などをすると、時効を超えての請求権が有効となるので特に注意です。

内容証明で残業代請求が届いた

 

時効は自動的に完成するものではない

 

上記の時効というものは時間が経過すれば自動的に完成するものではありません。

「時効の援用」といって内容証明で証拠が残る形で、相手に時効の利益を受けることを意志表示しなければいけないとされます。

 

時効は延長することがある

 

冒頭の時効完成までの期間は延長されることもあります。

訴訟では会社の対応が悪質という場合には、賃金請求権が3年分認められたというケースもあります。

 

  • 会社が労働時間の把握をしていない

 

といったケースではこの延長ということもありえます。

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