脳・心臓疾患の業務上認定基準とは

 

従業員が精神疾患にかかることがあります。

その原因が業務上なのか私生活上の問題が原因なのかというのは会社によって大きな問題となります。

もし業務上事由が原因となれば、会社に民事賠償責任が生じる可能性もあり、この場合ケースによっては1億円を超えるような賠償責任が認定されることもあります。

脳・心臓疾患の業務上認定基準とは、従業員が精神疾患にかかったのは業務上かどうかの判断基準となっています。

 

行政通達による基準

 

この脳・心臓疾患の業務上認定基準は、平13.12.12の基発第1063号によって示されています。

 

異常な出来事

  • 極度の緊張・興奮・恐怖・驚がく等を生じる異常な事態
  • 同様な極度の身体的に異常な事態
  • 急激で著しい作業環境の変化

 

短期間の特に過重業務

  • 発症直前の24時間以内の特に過重な長時間労働
  • 1週間以内の継続的な過重労働
  • 休日なしの過重労働

 

長期間の過重業務

  • 発症前1か月100時間を超える時間外労働
  • 2~6か月平均で月80時間を超える時間外労働

 

対象となる病症

 

また病症についても以下のようなものを対象とするとされています。

 

脳血管疾患

  • 脳内出血
  • くも膜下出血
  • 脳梗塞
  • 高血圧性脳症

 

虚血性心疾患等

  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 心停止
  • 解離性大動脈瘤

 

特に長時間労働には注意する

 

従業員が上記のような状態となれば、まず問題となるのは遺族です。

遺族はそれまで会社と関係してこないことも多く、実際にはどのような方かはわからないはずです。

また従業員が上記のような状態となり、それ以後の生活の不安から会社が予想していないような動きをとることも十分にあります。

実務において、上記の基準において特に重視するべきことは

 

  • 月80時間
  • 月100時間

 

という時間外労働の長さです。

業種や職種によって残業が多いというところもあるでしょうが、会社の法的責任を考えると、むしろ会社が率先して労働時間の削減に動くべきところです。

また裁量制や管理監督者といった労働時間の適用除外者に相当に長い残業を強いていることもあるでしょうが、上記のような状態となれば会社に法的責任が追及される可能性があります。

労働時間の削減は時代の大きな流れであるということをよく念頭において経営をアップデートしていきましょう。

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