ノーワーク・ノーペイの原則とは

 

一言でいえば

「労働がないと賃金の支給もない」

という原則です。

雇用契約とは

「従業員の労務提供と、使用者が賃金を支給するという、双務契約」

となっています。

ここから、労務提供がない部分については従業員の賃金請求権が生じないとされています。

 

賃金控除の根拠となる原則

 

会社ごとに所定労働時間がありますが、

 

  • 遅刻
  • 早退
  • 欠勤
  • 私用外出

 

といった理由によって勤務していない時間というものもあります。

ノーワーク・ノーペイの原則によって、このような所定労働時間内の不就労部分の賃金控除を正当化されます。

 

天災やストライキによる不就労

 

天災や交通機関のストライキによって勤務できないということもあります。

この場合、従業員に責のない不就労ではありますが、民法第536条の危険負担の定めから、損失は従業員が負担するとなります。

つまりこのような場合での賃金支給義務は使用者にはないとなります。

 

休業手当との関係

 

一方で「使用者都合による休業」という場合もあります。

例えば、資材の準備ができずに休業した場合などがこれに該当します。

この場合は平均賃金の60%以上の休業手当の支給義務が会社にはあるとされています。

詳しくは下記を参照してください。

休業手当が必要な例

また休業手当は当然に60%支給となるわけではありません。

ケースによっては100%支給となることもあります。

 

完全月給制との関係

 

最近では正社員といっても日給月給制が広く浸透してきました。

この制度では不就労部分について賃金控除することとなります。

しかし一方で完全月給制を採用している場合もあります。

この場合、欠勤等があっても賃金控除せずに支給額が決定されます。

完全月給制の場合、このページで記載しているノーワーク・ノーペイの原則の適用を除外しているとされ、控除することは違法となります。

完全月給制であっても100%ノーワーク・ノーペイの原則を排除するということではありませんが、この場合給与規程といった規定でどう決定されているのかが判断基準となってくるといえます。

完全月給制(就業規則等で欠勤分の控除の規定がある場合などに限る)であっても、日給月給制であっても控除できるのはあくまでも分単位での控除です。

よくある違法な給与計算のように15分単位や30分単位といったように欠勤時間を四捨五入したり切捨てなどを行うことはできません。

労働時間は分単位でカウントしないと違法

 

雇用契約書等がない場合の対応

 

あって良いことではありませんが、まれに中小企業などで就業規則もなく、雇用契約書も作成・締結せずに運用していることがあります。

このような場合にはトラブルとなると困りますが、この場合、

 

  • 今までは欠勤の控除を行っていたのかどうか?
  • 過去その会社では欠勤について控除していたのか?

 

といったことを基準に判断します。

そして今後のトラブル予防のために、従業員が10人以上の場合には就業規則を作成し、そして雇用契約書を作成しましょう。

<スポンサード リンク>