歩合給の残業代対策

 

会社によっては販売やその他の営業的要素によって歩合給となっている手当があると思います。

これらの手当はたしかに従業員のやる気をアップさせ、手当の対象となっている事象を実現するためには効果的です。

しかしこれらの手当はほとんどすべてが割増賃金の算定基礎となり、給与計算、そして残業代対策は非常に複雑で手間がかかります。

割増賃金の基礎となる賃金」参照。

単純にカウントすれば、歩合給の手当がない場合と比較すると12倍の作業が発生することとなります。

また面倒だからとこの作業を疎かにしているとその残業代対策自体が法的に怪しいものともなります。

これらの歩合給の残業代対策について少し問題点を記載します。

 

歩合給の残業代対策の複雑な理由

 

例えば以下のような従業員がいたとします。

 

  • 基本給 20万
  • 営業手当 1件ごとに1万

 

基本給部分は固定金額でしょうが、営業手当は毎月変動する可能性があります。

現在最も有効的な残業代対策は定額残業代手当です。

定額ということでこの定額残業代手当は毎月固定額です。

しかし歩合給部分の手当があれば、時間外労働の単価は毎月変動します。

つまり定額残業代手当を45時間分の残業代として設定していても、歩合給が高い月にはその45時間分に満たないという月も出てきます。

当然ですが、このような場合には違法となります。

悪い場合にはその定額残業代手当自体が法的効力が無効となることもあるでしょう。

そうなると残業代対策をしてきたといえるか疑問です。

従業員のやる気や、会社の業績を考えて歩合給を設定していたと思いますが、結局残業代の支給が発生して業績が落ちるのはあべこべです。

詳しくは以下を参照。

就業規則で定額残業代規定を置く

定額残業代手当は金額が毎月同額でないといけない

 

対策その1

 

ではどのようにすれば良いかということですが、最も良いのは歩合給部分の手当を月ごとの支給から外して、賞与として半期ごとにまとめて支給するというものです。

これだと月ごとの支給額は一定ですので、しっかりと45時間分の定額残業代手当を設定すれば、45時間に満たないということもありません。

ただし賞与の支給明細に旧の歩合給がしっかりと計算されて含めて支給していることを説明するとともに、明細でも明示しましょう。

 

対策その2

 

賞与に移行できない事情があるなら仕方がありません。

そのまま月ごとの支給に歩合給の手当を置きます。

こうなると時間外の単価は毎月変動します。

しかし定額残業代手当は固定額です。

そのため何時間分に該当する残業代手当なのかを毎月個人ごとに計算して給与明細に記載します。

この作業をしていないと残業代対策自体が無効となる可能性はあります。

毎月この手の計算が必要ということで冒頭で作業が12倍と記載しています。

よほど給与計算のスタッフの体制に自信がないという場合には避けたい方法ではあります。

なぜならミスや漏れがあると残業代請求を受ける可能性があるからです。

どちらの方法を採用するのか自社の体制に沿って検討してみてください。

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