定額残業代手当は何時間分までとするべきか?

 

基本給、または定額の手当を残業代として支給するという残業代対策があります。

しかしこの方法は判例によれば相当に神経質に運用しなければ法的効力が怪しいとなることがあります。

たしかに企業において残業時間が相当に長いということもありますが、その時間分すべてに該当する定額残業代手当の設定をするとなると法的に問題があるとなるかもしれません。

例えば最も多いパターンとして

 

  • 月30時間分
  • 月45時間分
  • 実際の残業時間分として支給する(例えば月60時間など)

 

他にも無数にパターンはあると思いますが、代表的な定額残業代手当の設定方法はこのようなところかと思います。

判例にもいろいろな基準で判断しているものがあり、できればすべての判例で合法となりえる設定が良いでしょう。

2012年あたりからの判例を見ると、「月45時間」という1つの基準がないともいえません。

この45時間というのは36協定の月あたりの締結できる時間外労働数から来ていると思います。

もしそうとすれば司法が行政の基準を参照したともいえます。

36協定の締結・届出」参照。

そのため上記の例でいくと「月30時間」という設定については問題ないといえることが多いと思います。

逆に月60時間分の残業代としての支給とするとどうでしょうか?

もちろんすべての場合で法的に無効となるとは思いません。

しかし無効と判断されやすいとはいえます。

判例でもこのような45時間を超えるものについて判断はまだ固まっていないともいえるかもしれませんが、あまりこのような設定はしないほうが良いかもしれません。

 

どうしても月45時間を超える残業がある場合の対応

 

36協定を締結・届出してかろうじて月45時間までの残業が認められます。

それを超えての時間外労働はあってはならないというのが国の考えであると思っています。

しかしごくまれにそれを超えて残業があることがあるという場合にはどうすれば良いでしょうか?

この場合、まずは特別条項付き36協定を締結・届出する必要があります。

これによって月45時間を超えての時間外労働が刑事的に適法となりえます。

また民事的に残業代の問題が残っています。

これについては

 

  • 定額残業代手当は45時間分の支給とする
  • 45時間を超えた残業については通常の残業代を別途支給する

 

となります。

45時間を超えた部分の残業代を加味して、基本給をはじめから低めに設定しておくということも必要な場合もあるでしょう。

詳しくは以下を参照。

就業規則で定額残業代規定を置く

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