年俸制は残業代の適用除外ではない

 

年俸制というのは労働基準法で割増賃金の適用除外とされている制度ではありません。

従って結論からいいますと残業代等の支給対象となります。

さらに以下にも記載していますが、年俸制はむしろ通常の月給制よりも残業代が高額化することが多く、あまりメリットのない危険なだけの制度といえます。

お医者さんなどの専門職で採用されることの多いこの年俸制ですが、経営者に非常に多くの誤解がなされているといえるでしょう。

この年俸制も法的な危険性について紹介していきます。

 

年俸制での残業代の計算方法

 

例えば以下のような年俸制の従業員がいたとします。

 

  • 年俸 720万 この中に賞与も含めている
  • 月ごとには 60万ずつの支給
  • 月平均所定労働時間 160時間

 

この場合、

60万 ÷ 160時間 × 1.25 =4688円

が残業代の時間単価となります。

もし平均して40時間の時間外労働があるとしますと

4688円 × 40時間 × 24月 =450万

時効2年ですので、このような残業代が未払いとなっています。

以下を参照してください。

月平均所定労働時間とは

賃金・退職金の時効

 

通常の月給制の残業代金額

 

この例の年収と全く同じ月給者の残業代を計算してみましょう。

 

  • 月給 40万
  • 賞与 年2回、それぞれ120万

 

この場合、残業代の時間単価は

40万 ÷ 160時間 × 1.25 =3125円

この段階で賞与が算定の基礎に含まれないので単価自体が安くなります。

詳しくは以下を参照してください。

割増賃金の基礎となる賃金

時効2年分の未払残業代は

3125円 × 40時間 × 24月 =300万

と相当な金額の差が年俸制とは出てくることがわかります。

なおこの差は

 

  • 年俸金額が大きいほど
  • 残業時間が長いほど

 

まだまだ大きな金額の差となってきます。

 

休日・深夜労働も支給義務がある

 

上記は残業代しか計算していません。

しかし年俸制でも休日労働と深夜労働に対する割増賃金の支給義務もあります。

これも合わせて請求される可能性は高いでしょう。

そうなると上記の金額の差はさらに大きくなります。

 

年俸制での残業代対策

 

このような事態を避けるにはいくつか方法はあります。

 

  • 年俸制を廃止する
  • 定額残業代手当を導入する

 

といった方法です。

ただし年俸制を廃止しても残業代対策をしなければ残業代請求は受けてしまいます。

そのため

 

  • 年俸制を廃止し定額残業代手当を導入する
  • 年俸制のままで定額残業代手当を導入する

 

というどちらかの選択をしなければいけません。

就業規則で定額残業代規定を置く

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