高年齢者雇用安定法改正 2012年

 

この改正は年金支給年齢の引き上げによって無収入となる期間を会社の継続雇用で埋めようという目的があります。

今回の改正の趣旨としては以下のものです。

一言でいうと65歳までは雇用継続しなければいけないとも解釈できる改正といえるでしょう。

 

  • 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止
  • 継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大
  • 義務違反企業の公表規定の導入
  • 高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針の策定

 

継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止

 

従来から60歳を下回る定年を規定することは違法とされていました。

また65歳までの雇用確保のため以下のうちどれかを採用することが義務付けられていました。

 

  • 定年の定めの廃止
  • 再雇用制度の導入
  • 定年の引き上げ

 

多くの会社ではこのうち再雇用制度を採用し、労使協定で規定した会社の基準に合致しない高齢者を60歳等で退職させていたということが多かったと思います。

極端な会社の場合、この労使協定で基準をうまく作成し、ほとんどの高齢者を60歳で定年として退職させていたということも可能でした。

しかし今回の改正ではこの労使協定による再雇用を行う者の基準を規定することができなくなりました。

従って再雇用を希望した場合には、その全員を再雇用の対象としなければいけません。

しかし誤解してはいけないのは、今回の改正では再雇用契約で合意することまでが会社の義務とはされていないことです。

従って会社の提示する再雇用契約に合意を取れず、そのまま退職となっても違法とはならないということです。

 

労使協定による限定の禁止の経過措置

 

この労使協定による再雇用対象者の限定の禁止には一定の時期まで経過措置があるとされました。

以下の時期における右の年齢以上の者については、従来の労使協定(平成25年3月31日までに締結していることが必要)の再雇用基準があれば、それをそのまま使用することができるとされます。

従って、平成37年4月以降は労使協定の基準は使用できないということになります。

 

  • 平成25年4月1日~平成28年3月31日 61歳以上の者
  • 平成29年4月1日~平成31年3月31日 62歳以上の者
  • 平成31年4月1日~平成34年3月31日 63歳以上の者
  • 平成34年4月1日~平成37年3月31日 64歳以上の者
  • 平成37年4月1日以降        65歳以上の者

 

継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大

 

定年を迎えた高年齢者の継続雇用先を自社とともにグループ企業(子会社・関連会社)でも行えることとなりました。

関連会社とは議決権が20%以上ある会社を指します。

 

義務違反企業の公表規定の導入

 

今回の改正について労働局・ハローワークが会社の指導を行うことができるとされました。

この指導を受けても改善がなされない場合には、企業名の公表もなされることがあります。

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