契約社員に手当不支給は違法 ハマキョウレックス事件

 

2016年7月26日に突然契約社員に手当不支給は違法というニュースがかけ回ってきました。

同一労働・同一賃金の一環の判決だとすぐに思いましたが、内容としてはかなりどの企業にもありえる話なように思いますので、事件の概要と今後どのようにこの判決を元に労務管理をしていかないといけないのかについて解説をしたいと思います。

 

ハマキョウレックス事件の概要

 

今回の契約社員の手当不支給事件は運送会社「ハマキョウレックス」(本社浜松市)彦根支店のものです。

 

  • 正社員には手当を支給
  • 正社員と契約社員に仕事内容に大きな違いはない
  • 通勤手当、無事故手当、給食手当の契約社員への支給を命じた
  • 改正労働契約法が施行された13年4月以降の差額を損害と認めた

 

というのがハマキョウレックス事件の概要となっています。

仕事内容に大きな違いがないとだけあるので詳細はわからないのが残念ですが、これについては過去の判決も含めて記述したいと思います。

 

ハマキョウレックス事件の画期的な判決のポイントとは?

 

元来、同一労働同一賃金の議論というのはさほど訴訟で認められているようなものではなかったのですが、大阪高裁は今回この議論を元に判決しているといえます。

またもう1つのポイントは2013年4月以降についての手当の不支給部分を損害としているところです。

賃金については2年で消滅時効にかかりますが、これよりも長い期間について労働者の請求を認めているということがいえます。

同一労働・同一賃金の原則

 

契約社員をはじめとして非正規社員と手当請求権の成立

 

では今回のように契約社員をはじめとした非正規社員から正社員との賃金差額を請求されないようにするにはどのようにすれば良いのでしょうか?

前述しましたように判決からはどのあたりを根拠に「正社員と契約社員に仕事内容に大きな違いはない」としているのかが確定はできませんが、過去の判例からすれば以下のように推測はできます。

 

  • 職務の内容
  • 人材活用の仕組みや運用
  • 実質的には無期契約であるようになっていないか?

 

仕事内容が同じで、転勤などを含めた人事異動が同じで、かつ契約社員などとなっていても契約更新の手続きがずさんというような場合には正社員との賃金差額を請求されえるということがいえます。

人事活用の仕組みや運用についてもう少し具体的にいいますと

 

  • 試用期間のあるなし
  • 人事異動のあるなし
  • 労働時間の長さ
  • 残業・休日労働のあるなし
  • 懲戒処分のあるなし

 

これらを正社員と区別する必要があるということです。

非正規の就業規則を見れば正社員のように何でも規定しているところが多いです。

規定して残業もさせたいというようなところもあるようですが、これらの規定自体も同一労働・同一賃金の議論から見れば違法性があるということは今にはじまったことではないので、早急に社内の規定を見直すべきといえます。

 

ハマキョウレックス事件に見る時代変化や背景

 

今までは

 

  • 会社が就業規則に規定する
  • その通りに社員も従って働く

 

というような傾向はありましたが、2000年代にネットの浸透もあるのか明らかに時代が変わったといえます。

契約社員の手当がないというようなことで訴訟提起されることはまずありえないことでしたが、今後も同一労働・同一賃金の議論は時代の中でより大きな役目を果たすようになるでしょう。

先日も同じように再雇用後の同じ業務での賃下げが違法と判断された判決を紹介しましたが、今回もこの手の話といえます。

 

  • 正社員と非正規との仕事内容による賃金のバランス
  • 非正規間での仕事内容による賃金のバランス
  • 同一社員による仕事内容の変化による賃金のバランス

 

とこの3つの賃金のバランスは今後今まで意識してこなかった企業も配慮するべき時代になったといって良いと思います。

<スポンサード リンク>