契約社員と試用期間

 

もともと試用期間というのは「お試し勤務期間」であり、従業員の適性などを検討する期間です。

契約社員というのは正社員ではなく、有期雇用契約の場合がほとんどだと思います。

有期契約であるとなれば、正社員よりも労働条件が悪い(専門職での契約社員では正社員よりも高給な場合もありますが)ため、そもそも試用期間を設定すること自体どうなのか?という問題もあります。

リスクとしては

「同一労働・同一賃金」

の議論を招きかねません。

同一労働・同一賃金の原則」参照。

これは「賃金に差があるには、労働条件に差が必要」という議論です。

 

平8.3.15 丸子警報器事件

正社員と勤務年数・労働内容・労働時間が変わらない疑似パートでは、賃金が同じ勤務年数の正社員の8割以下となることは違法

 

この判例が有名ですが、契約社員も法的にはパートタイマーであり、この判例の内容が適用されることも十分にあると思います。

試用期間のあるなしも労働条件の1つであり、正社員と同じように試用期間があれば、

「同一労働・同一賃金」

の主張をされかねないといえます。

このような理由から、個人的には正社員よりも給与が高い場合の契約社員以外では、試用期間を設定するべきではないと思います。

試用期間ではなく、勤務態度等に問題がある契約社員に対しては契約期間の満了で対応するべきだと思います。

 

正社員の試用期間を契約社員とする

 

また正社員として求人をし、採用した場合に

「試用期間を契約社員として契約する」

という手法が流行しつつあります。

この場合も運用が伴っていないとやはり

「正社員の試用期間である」

と判断されます。

詳しくは下記のページを参照してください。

試用期間を有期契約とする

このページにおいて、平2.6.5の神戸弘陵学園事件(最高裁)での判断を記載していますが、これによれば

「契約期間満了によりその契約が当然に終了するという明確な合意がない有期雇用契約は試用期間となる」

ということです。

試用期間のように勤務態度や適性を見るための契約社員としての契約は、訴訟では試用期間とされることがあります。

つまり契約うんぬんではなく、「実態としてその契約社員の期間は何?」ということが重要となるということです。

この点、ほとんどの試用期間を契約社員その他の有期契約化している会社では難しいのではないかと思います。

またこの判例からすれば、個人的に「試用期間を契約社員その他の有期雇用契約とすること」にどれだけ意味があるのか?疑問に感じています。

<スポンサード リンク>