就業規則の過去への遡及

 

就業規則というのは作成・変更時に

「施行日」

を規定します。

また労基署に届出ときに、受理印が押印されます。

ここで日付が残ります。

もし規定上の施行日に誤り等があっても、この受理印と矛盾している場合にはトラブル時に指摘事項となりえます。

最近では残業代請求といった労使間でのトラブルが増加していて、就業規則の作成・変更を依頼されることがありますが、この際に聞かれることが多い質問として

「今回作成(変更)した就業規則を過去に遡及して効力を発揮することは可能ですか?」

というものです。

残業代請求といった賃金請求では時効2年で、過去分の請求になります。

もしその2年前から残業代対策をしている就業規則の効力があれば、今回の残業代請求を無効化できると考えるようです。

しかし基本的に施行日または就業規則を事業場で周知した日以降未来に向かって効力を発揮するものとされています。

そのため過去への遡及は原則としてできないとなります。

賃金・退職金の時効

 

例外的に遡及できる方法

 

しかし例外的に遡及できるとする方法もあります。

例えば現在は平成25年12月です。

就業規則を新規に変更したとします。

しかし過去に遡及してこの就業規則を適用させたいとします。

この場合、今回届出する就業規則の施行日を過去の「平成23年12月」とします。

もちろんこれだけで有効とはなりませんが、例外的にこの過去への遡及措置について従業員全員の同意があれば有効とされる余地があるとされています。

ただしこの場合、労基署が施行日が過去の就業規則を受理してくれるかは担当者次第で変わってくると思います。

 

同意がとれない場合は

 

当然ですが、労働条件を不利益に変更する(例えば基本給に残業代が含まれるといった就業規則など)のであり、従業員の同意がとれないことのほうが多いかもしれません。

この場合には、同意を強制したりすることはできず、もともとの労働条件が適用となります。

例えば、未払残業代となっているものについて同意をしない従業員に請求権が残るということになります。

また一時金といったものを代替措置として支給せずに同意をさせたという場合、「自由な意思による同意」と解釈されず、やはり無効となる可能性もあります。

就業規則変更と不利益変更」参照。

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