会社車両による送迎と労災保険

 

本社が辺鄙なところにあり、駅から本社まで会社車両で送迎しているということはあまりないかもしれません。

しかし工場といった製造所などの場合、交通機関の充実していない場所に設置しているということがあると思います。

その場合、駅などから非常に遠方にあり、従業員が通勤できないということもありえますが、このような場合駅などから会社車両で送迎してしまうというように通勤させていることもあるかと思います。

この会社車両による送迎中に事故があり、乗車している従業員が負傷などをしてしまうこともありますが、この場合は労災対象の事故となるのかが問題となってきます。

 

基本的には業務災害となる

 

労災保険には

 

  • 業務災害
  • 通勤災害

 

の2種類があるとされています。

特別給付額はどちらが大きいかといった点では違いはありません。

ただ問題となりやすいのは、業務災害という場合には、労働基準法の解雇制限にかかってくるというところです。

 

労働基準法第19条(解雇制限)

使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。

 

会社車両による通勤中の送迎であっても、労災保険では業務災害とんることが非常に多く、上記の労働基準法第19条の解雇制限が適用されてしまいます。

つまり、業務災害として労災保険の給付を受給する期間と、その後30日間は解雇できないとなってしまうということになります。

 

ではいつ解雇が可能か?

 

通常、送迎中の事故でそれほど長期間を療養に要するということは少ないと思います。

しかしケースによってかなりの長期間を療養に要することもあります。

また障害を負うような場合には、解決までに長期間かかると覚悟しなければいけません。

通常は、労災保険の受給期間とその後30日間は解雇できないと解釈して良いと思います。

しかし労災保険の受給期間が長引けば、下記のどちらかを満たさないと解雇はできないとなります。

 

1、療養開始後3年経過し、平均賃金の1200日分の打切補償を支払った場合

  • または療養開始3年を経過し、かつ労災保険法の傷病補償年金を受けることになったとき

2、天変事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合で、行政官庁の認定を受けた場合

 

詳しくは以下のページを参照してください。

平均賃金の計算方法

 

会社のとるべき対応

 

行政通達(昭25.5.9 基収第32号)によれば、第三者に送迎を委託しても同じ法的責任が会社に及ぶものとされています。

従って、会社としては

 

  • 送迎作業を責任を覚悟して行う
  • 会社を移転する
  • 従来通りに送迎をするが、民間の保険加入を充実させる

 

といった方法があると思います。

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