懲戒解雇は法的に有効とはなかなかならない

 

会社において就業規則で懲戒解雇の規定をほとんどで置いていると思います。

しかし結論からいいますと、懲戒解雇というのはほぼ法的に有効とはならないものと考えていかなければいけません。

懲戒解雇とは、ある意味でその従業員に社会人としての死刑宣告のようなもので、ときに後の会社員としての人生にも影響が出ることもある非常に重い処分です。

懲戒解雇は再就職に障害となる」参照。

そのため判例でもなかなか懲戒解雇を有効と認められないというのが現在の状況です。

 

懲戒解雇が有効となる事由

 

過去の判例において懲戒解雇が有効となる要件はいくつか示されています。

懲戒解雇とは企業秩序の違反に対する使用者の制裁とされます。

そのためこの定義に沿って判例では判断されます。

 

昭49.3.26 大分地判 小野田セメント事件

「客観的にみて企業の秩序維持ないし生産性の維持向上に相反するもので当該労働者を企業内に留めることが社会通念上期待しえないような行為(が懲戒解雇の有効性には必要)」

 

ということで、懲戒解雇では企業秩序の観点から判断しなければいけないとされます。

 

就業規則の規定

 

就業規則で各社、懲戒解雇の事由について規定していると思います。

懲戒解雇の場合、その事由に該当しているだけでは法的に有効とはならないとされます。

その事由への該当とともに、上記の判例のような企業秩序上等の理由も合わせて存在しない場合には法的に有効とはなりません。

この点、普通解雇と比較すると会社にとっては厳しい判断となっています。

 

懲戒解雇が有効となった例

 

懲戒解雇を有効とした判例はそれほど多くはありません。

それらをまとめてみますと以下のようなものなどがあります。

以下を見ますと、懲戒解雇をして排除しないと、今後の継続して会社の秩序維持ができないという事情があるのがわかります。

 

  • 会社の役職を利用した横領
  • 度重なる会社機器の私的利用
  • 取引先の女性へのセクハラ

 

横領での懲戒処分

セクハラの定義

 

実務での対応

 

感情的になり懲戒解雇を検討したくなるということはあるかと思います。

しかし訴訟では懲戒解雇で争うと、会社に不利な結果となる確率が増してしまうといえます。

そのため懲戒解雇かどうかぎりぎりというような事情であれば、普通解雇で対応するといった柔軟な対応がベターかと思います。

懲戒解雇で退職金がなくなるというような運用の場合には、特に訴訟の可能性も高くなるので、より慎重に考えたほうが良いでしょう。

懲戒処分と退職金の不支給

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