就業規則と残業代請求

 

現在2013年では残業代請求が増加しているように感じています。

残業代請求リスクを根本的になくすには「残業をなくす」しかありません。

しかし小手先ではありますが、どうしても残業をなくせないという会社の場合には次の良い方法としては「定額残業代手当」を規定するというものがあります。

これは簡単にいうと

 

  • 毎月、定額の残業代手当を設定する
  • その手当に相当する時間内の残業代はそれで支払う

 

というようなものです。

多くの場合、この定額残業代手当の設定は労働条件の不利益変更となり、従業員各人の合意がないと法的には有効とはなりません。

就業規則変更と不利益変更

定額残業代手当は金額が毎月同額でないといけない」参照。

 

定額残業代手当の設定方法

 

例えば以下のような従業員がいたとします。

 

  • 基本給 25万
  • 月平均所定労働時間 160時間
  • 残業時間の平均 30時間

 

この場合、25万に上乗せして定額残業代手当を創設するなら苦労はないと思います。

それだと毎月残業代を計算して支給すれば良いからです。

このような場合、まず基本給の解体をします。

25万を160時間の所定労働時間と、30時間の残業代分とに分解します。

その残業代を定額残業代手当として設定します。

ここでの計算がおかしい場合には、法的効果も限定されかねませんので、慎重に行いましょう。

また定額残業代手当に相当する残業時間はあまり長い時間にするのはどうかと思います。

36協定では月の時間外労働が45時間などとなっていることからすれば、この45時間あたりの時間設定までが無難かもしれません。

以下を参照。

36協定の締結・届出

月平均所定労働時間とは

定額残業代手当は何時間分までの残業代として抑えるべきか?

 

定額残業代手当の導入

 

あとは以下の手続を行います。

 

  • 就業規則・給与規程で定額残業代手当の規定
  • 従業員各人へ定額残業代手当について規定した新しい雇用契約の締結(ここで従業員に署名・印鑑を押印してもらって合意を取ります)
  • 合意が取れない場合には再度期間を置いて新しい雇用契約に合意を得るようにする
  • 毎月の給与明細・賃金台帳で定額残業代手当は何時間分の残業代として支給するのか必ず明記する

 

特に4つ目の給与明細・賃金台帳の記載は判例で定額残業代手当の成立要件とされています。

毎月で手間ですが、もし明記がない定額残業代手当を創設していてもその効果は保証はできません。

賃金台帳とは?」参照。

 

導入後の運用も非常に重要

 

定額残業代手当を導入している会社ではその後の運用がルーズであって、法的に無効と判断されるケースも多いです。

例えば月45時間分の残業代として手当を支給する場合、臨時的にその45時間を超える残業がある月があるかもしれません。

その部分の残業代を計算して支給していない場合、裁判では会社に厳しい判断となることも多く、最悪の場合、手当自体が無効とされることもあります。

また一度導入したものの、最低賃金の法改正があったにもかかわらず、定額残業代の手当額や該当する残業時間の変更をしていない場合もあります。

この場合、無意識的に定額残業代手当が最低賃金法違反を誘発していることもあります。

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