退職時の有給休暇

 

有給休暇は勤続年数にもよりますが、最大で40日抱えている従業員もいます。

「入社して6ヶ月で10労働日」

の有給休暇が発生します。

そこから1年経過ごとに発生する有給休暇の日数は増えていき、最終的に入社して6年6ヶ月を経過した従業員は20労働日の有給休暇が発生します。

詳しくは以下を参照。

労働基準法の有給休暇についての法律知識

中小企業において活用することが難しい有給休暇ですが、退職となるとほとんどの場合に有給休暇が残っているということとなるでしょう。

最近では従業員の方も有給休暇に関心が強くなっているようで、退職時にトラブルとなることも出てきています。

就業規則などでは退職について

「30日前には申し出ること」

などとなっていると思います。

しかし40日の有給休暇があれば、当然この日数を超えてきますし、また引継ぎといったことを考えるとせいぜい10日や15日くらいしか会社としては有給休暇を認めることができません。

このような退職時の有給について少し記載したいと思います。

 

時季変更権

 

基本的に法律上、会社には有給休暇の取得を拒否する権利はありません。

かろうじであるのが「時季変更権」というもので、要するに「今は業務が忙しいから後日の暇な時季にしてほしい」というものです。

しかし退職の場合、基本的に「後日」というものがなく、すぐに取得させないといけないと法律上はなりえます。

 

有給休暇の買取

 

時季変更もできないが、しかし会社としては引継ぎをしてほしいということがあります。

この場合、有給休暇を買取るということも違法ではないとされています。

買取ることで出勤してもらい、同時に引継ぎをしてもらうということも可能な方法です。

デメリットとしては会社に有給の買取費用が発生するということだと思います。

 

就業規則の規定で対応できるか?

 

「退職時には引継ぎ等をしっかりと行い、支障の出ないようにしなければならない」

と規定を置く会社もあります。

この場合、たしかに有給休暇をすべて消化すると引継ぎができず支障が出ることもあります。

この点、就業規則違反ではありますが、その後どうするのということとなります。

退職していこうという従業員にいまさら懲戒処分をしてもあまり効果はありません。

退職金制度がある会社の場合、懲戒処分による退職金の減額によって有給休暇の消化も予防することもできるでしょうが、制度がないと懲戒処分よりも有給の賃金となりやすいです。

そのため就業規則での上記の規定での対応というのも限定的だと思います。

退職後に懲戒処分できるか?」参照。

 

まとめ

 

このように見てくると法律上は「すべての有給休暇の消化」ということが正しいとなることが多いでしょう。

 

  • 買取り
  • 退職金減額で予防する

 

といった方法を採用するか、あとは従業員と話し合うということとなります。

常識的な従業員であり、会社をそこまで恨んでいない従業員なら納得してくれて有給休暇を思いとどまり引継ぎしてくれるということもあるでしょう。

<スポンサード リンク>