労働時間の相殺は違法

 

しばしばある経営者の方の誤解として以下のような考えがあります。

ある日の残業があり、次の日に早帰りや出勤時間を遅くすることでその時間分の短く勤務してもらえば残業代は発生しないというものです。

この考えは違法となり、未払残業代請求を受けることとなりますので、絶対に避けなければいけません。

 

違法となる労働時間の相殺の例

 

少しわかりやすく例を上げたいと思います。

 

○日

  • 始業時刻9時で、終業時刻は18時。
  • 休憩はこの間に1時間。
  • ただしこの日は20時まで勤務させてしまった。

 

△日

  • 前日に2時間の残業がありました。
  • そのため出勤を11時とし、18時に帰宅してもらいました。

 

すでに上記でも記載しましたが、この場合には○日の2時間分の残業代は消えません。

そのまま未払残業代として会社に支給義務が残ります。

具体的に基本給を20万(月平均所定労働時間は160時間)として給与計算をしてみます。

 

○日の未払残業代

  • 20万 ÷ 160時間 × 1.25 × 2時間 = 3125円

 

△日の不就労分

  • 20万 × 160時間 × 2時間 = 2500円

 

つまり

3125円 - 2500円 = 625円

が未払いということとなります。

たった2日ですのでこの金額ですが、賃金は2年間は請求できるので、このペースで勤務したとすると

約15万

が未払賃金となってきます。

当然ですが、残業時間が長いほど、また給与が高いほどこの金額はさらに増加していきます。

詳しくは以下を参照。

賃金・退職金の時効

月平均所定労働時間とは

 

労働時間は1日単位でカウントする

 

相殺について最も押さえておかなければいけないのは

 

  • 労働時間は1日単位でカウントする
  • 一度行った残業を勤務短縮等で取り消すことはできない

 

というところです。

 

定期的に繁閑がある場合には変形制を採用しよう

 

このような労働時間の長短が定期的にあるという場合には、変形労働時間制を採用するべきであると思います。

この場合、労使協定や就業規則の規定が必要となるというデメリットはありますが、例えば1か月や1年という単位で平均して法定労働時間を超えてはじめて残業代が発生するとなります。

また給与計算もどうしても複雑となるので、外注するかどうかの検討も必要となってくると思います。

詳しくは以下を参照してください。

 

1か月単位の変形労働時間制

1年単位の変形労働時間制の導入

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