複数の勤務先がある場合の労働時間

 

正社員の場合、通常副業などといった形で事業所を複数かけもちするということは少ないと思います。

しかしパートタイマーの場合、このようなことはそれほど珍しくもありません。

勤務先が複数ある場合の労働時間のカウントについては労働基準法第38条に定めがあります。

これによれば「すべての事業所の労働時間を通算する」とされています。

 

36協定と時間外割増賃金の支給

 

会社は勝手に残業を行わせることはできません。

労基署に36協定という書類を締結・届出することで可能とされます。

また同時に割増賃金(残業代)の支給も必要となります。

さて以下のようなケースがあったとしましょう。

Aで勤務した後にBで同日に勤務しているものとします。

 

  • A事業場 5時間勤務
  • B事業場 5時間勤務

 

この場合、AとBの単独で見ると5時間労働であって、36協定の届出や時間外労働の割増賃金の支給は必要ありません。

しかし労働基準法第38条に沿ってみると、1日10時間労働となります。

そのため最後の2時間は時間外労働となります。

そのため最後の2時間を勤務させたB会社には36協定の届出と2時間分の残業代の支給義務があるとなります。

詳しくは以下を参照。

36協定の締結・届出

 

今後複数勤務は増える

 

社会保険(健康保険・厚生年金など)は正社員の週所定労働時間の3/4以上となるとパートタイマーでも加入義務があるとなります。

社会保険の加入条件(労働者)」参照。

毎年のように社会保険料が上がっている状況で、かつ消費税のアップとともに会社の経営も苦しくなってきているケースがあります。

このような場合に経費削減ということも視野に入ってきますが、その対策として週の所定労働時間を30時間未満にして運用することも多くなってくると思います。

そして2012年あたりから正社員だけでなく、非正規雇用者の残業代請求も起こるようになってきました。

2013年現在、この複数勤務者については大きな問題となっていませんが、今後トラブルのもととなることも想定されます。

実際に起こってしまうと「知らない」では通用しません。

採用時に他の勤務先があるかといったこともチェックした上で採用するかを決定するという対応も必要ではないでしょうか?

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