所定労働時間の延長

 

現在の労働基準法では法定労働時間は

 

  • 1日8時間
  • 1週40時間(一部の業種は44時間)

 

詳しくは以下を参照。

法定労働時間が44時間の特例

とされています。

これを超えると割増賃金が必要となります。

またこれを超えての所定労働時間を規定することもできません。

しかし会社においては1日の所定労働時間を7時間などと上記の法定労働時間よりも短く規定していることがあります。

この場合、さらに1時間を延長して規定することは違法ではありません。

ではただ就業規則を変更して労働時間の規定を変更すれば良いのかというとそうではありません。

 

賃金のアップなく労働時間を延長するのは違法

 

賃金が上がらないまま所定労働時間が延びれば、労働時間1時間あたりの単価は下がってしまいます。

この点、従業員からすれば「労働条件の不利益変更」となります。

そのため会社が一方的に就業規則等で労働時間を延長すれば、法的に無効となる可能性は非常に高いです。

差額を支払わなければいけないとなることも可能性は非常に高いといえます。

就業規則変更と不利益変更」参照。

ではどうすれば良いのかというと、

「労働時間が伸びた分だけ比例させて賃金を増加すれば良い」

ということとなります。

 

いくら賃金を上げれば違法とならないか?

 

例えば以下のような従業員がいたとします。

 

  • 月例給与 25万
  • 所定労働時間 7時間
  • 週休2日制
  • 月平均所定労働時間 140時間

 

月平均所定労働時間とは」を参照。

この従業員の所定労働時間を1日8時間と変更するとします。

今までの給与の時間単価は

25万 ÷ 140時間 = 1786円

となっていました。

基本的にこの時間単価は守らないといけません。

ですので、

1786円 × 160時間 = 28.6万円

となります。

結論としてはこの金額に給与を上げないといけないとなります。

 

給与をアップさせたくない場合には

 

上記の例ですと、約3.6万の人件費が毎月上がってしまいます。

どうしても人件費を上げられない事情があるという場合、例外として以下の方法もあります。

「所定労働時間を延長する従業員の個別合意を得る」

というものです。

この合意には趣旨の説明と、そしてその旨について明確な合意があったと証明できる書面での従業員の署名・印鑑が必要です。

<スポンサード リンク>