同一労働・同一賃金の原則とは?

 

あまり聞きなれない言葉だと思いますが、

「同じ会社で同じ地位にあり、同じ能力・経験・経歴・実績等が同一であるのに、賃金に差があるのは不当である」

とする原則です。

同僚やその他の従業員と比較して賃金が不当に低いといった観点で労使トラブルの原因となりえる議論といえます。

特に問題となりやすいケースとしては

「正社員とその他のパートタイマー(有期雇用者)との賃金の差」

についてだといえます。

正社員と例えば契約社員・準社員などといった契約形態が異なる者との間で合理的理由もなく賃金に差があるといった場合などが問題となりやすいといえます。

賃金支給額は基本的に会社に広い裁量権・決定権があるといえますが、この議論によって無制限に決定権はないといえるかもしれません。

 

判例に見る同一労働・同一賃金の原則

 

同一労働・同一賃金の原則は、パートタイム労働法第8条とのかかわりが深いです。

この条文では

 

  • 職務の内容
  • 人材活用の仕組みや運用
  • 実質的には無期契約である

 

といった3つの要件を満たす有期雇用契約者と正社員との待遇について差別的取扱いを禁止しています。

「職務の内容」についてはよくわかると思います。

また「実質的には無期契約」というのもわかると思います。

有期契約とは名ばかりで、ほとんど更新手続もずさんに審査等が行われ、有期契約者も次回の更新をごく当然にあるものと期待するようなものです。

ただ「人材活用の仕組みや運用」という点についてですが、具体的には以下等を指すといえます。

 

  • 試用期間のあるなし
  • 人事異動のあるなし
  • 労働時間の長さ
  • 残業・休日労働のあるなし
  • 懲戒処分のあるなし

 

詳しくは以下を参照。

パートタイマーに試用期間を設定してはいけない

パートタイマーには配置転換をしてはいけない

パートタイマーに懲戒処分を設定してはいけない

上記はおおよそ正社員にはすべて適用があるような制度ですが、有期雇用者にも制度を適用としている場合、「人材活用の仕組みや運用」に差がないとなりかねません。

つまり同一賃金・同一労働の議論を生じさせないようにするにはこのような制度を有期雇用者には適用せずに対応しなければいけないとなります。

反対にこれらの制度を有期雇用者に適用していて、賃金も正社員よりも低いという場合、会社は良いところばかりをとっているとなり、同一賃金の請求を受けても仕方がないとなります。

判例でも

 

平8.3.15 長野地裁上田支部 丸子警報器事件

正社員と勤務年数・労働内容・労働時間が変わらない疑似パートでは、賃金が同じ勤務年数の正社員の8割以下となることは違法

 

として公序良俗違反で無効とするものもあります。

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