賃下げは労働条件の不利益変更

 

賃下げとは給料の水準を引き下げるなどの労働条件の不利益変更となります。

判例においてこのような労働条件の不利益変更は厳しく判断されています。

まれに会社が一方的に賃下げを行っているという話を電話等で照会いただきますが、これらは基本的に法的に無効となります。

就業規則変更と不利益変更」参照。

 

  • 賃金のカット
  • 手当等の廃止・減額
  • 賞与水準の引き下げ
  • 退職金の減額・廃止

 

これらは基本的にはすべて法的に無効となる可能性が非常に高いといえます。

 

賃下げが法的に有効となるには

 

労働条件というものは、基本的に入社時などに労使が契約・約束をしたものです。

従って、双方の合意があり、その合意に従って変更した場合にしか法的に有効とはならないとなります。

そのため上記のようなさまざまな従業員に対して不利益変更をするという場合には、従業員各人の合意を取得しなければいけないということです。

 

合意がなく賃下げをしていた場合

 

在職中はまだしも、退職後に訴訟となるケースが増加しているようです。

このような場合に合意が取れていないというケースでは会社に不利な判断がなされる可能性も高いといえるでしょう。

特に賃下げ金額にもよるでしょうが、一定の金額を超えて訴訟しても良いと判断できる場合にはより訴訟となる可能性が高いといえます。

 

法的有効性を追求した賃下げの方法

 

法的に無効とされにくいように賃下げを行うには以下のような手続を行う必要があります。

 

  • 就業規則・給与規程の変更
  • 就業規則・給与規程の変更手続の遵守
  • 時効2年分の賃下げ等の請求権の放棄の同意と、今後の新しい雇用契約の締結
  • 同時に一時金を支給することで従業員に自由な意思で同意したことをより強く証明する

 

このような面倒で長期間かかる手続を行う必要があります。

すでに記載していますが、この手続を軽視して疎かに実施していると、法的に無効と訴訟やトラブルとなる可能性は十分にあるといえます。

詳しくは以下を参照。

賃金・退職金の時効

 

手続がなくても賃下げが有効となるケース

 

判例によればすべてのケースで上記の手続を踏まなければいけないということでもありません。

極度の業務上の必要性があれば、上記の手続がなくても法的に有効となる可能性はあるとされます。

極度の業務上の必要性とは、賃下げをしないと会社存続が難しいというような不景気等の理由がなければいけないということになります。

この場合には、訴訟等のために経理帳簿等でどの程度の経営危機があったのかを証明できないと無効となるリスクがあるといえます。

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