労務管理の基礎知識退職・解雇

合意退職と辞職



この2つの退職の違いについて回答できる人は少ないかもしれません。

実務では両方を混同して使用していることが多いです。

しかし法律上は明確に異なる概念であり、よくその違いについて把握しておかないと思わぬ法的リスクを抱えてしまうこととなります。

まずは両方の概念の違いについて紹介します。


  • 合意退職
    会社と従業員が就業規則の「退職の申し出は○日前に行う」といった規定に沿って退職すること。
    従業員からの退職の申し出に対して、会社がそれに承諾することで退職が成立する。
    厳密には「退職願」を使用する。

  • 辞職
    従業員から会社への退職の通知であり、会社の承諾は必要ない。
    厳密には「退職届」を使用する。



退職届と退職願の法的な違い

ともに重要なことは、退職に関して会社の許可制などとすることはできないということです

合意退職では「会社の承諾」という言葉を使用していますが、許可ではありません。

退職の申し出に対しては、基本的に退職時期をすらして欲しいといった依頼はできるという程度の権利しかないことは押さえておいてください。



それぞれの退職日はいつになるか?



合意退職では、就業規則の規定に従って退職日を決定します。

よく就業規則等で

「退職の申し出は30日前までに会社に対して行う」

といった規定があるかと思います。

合意退職の申し出があり、30日後に退職日が来るとなります。

この間に引継ぎ等を行ってもらいます。

一方で辞職の場合には民法第627条(有期雇用者の場合には628条)の定めによって退職日が決まります。

この定めによれば


  • 正社員の場合
    解約の申入れの日から2週間を経過すれば退職となります。

  • その他の有期雇用契約の場合
    やむを得ない事由があるときは、ただちに解約することができます。



となります。

14日前に退職の申出をされると拒否できない?



辞職か合意退職か確認する



上記のような内容についてあまり知っている方はいないかもしれません。

また重要なこととして、合意退職の場合、会社の承諾があるまでは従業員は退職の意思表示を撤回することもできます

ですので、合意退職の場合にすぐに退職して欲しいという場合には、間をおかずにすぐに承諾書のようなものを本人に発行する必要があります。

この発行が遅れれば撤回されることもあります。

あまり遅い時期に撤回されてしまえば、会社は余剰人員を抱えてしまうこともあります。

退職承諾と採用活動のタイミング

撤回の有無や、退職日の決定など、合意退職か辞職かでは大きな違いがあることがわかると思います。

個人的にはトラブル予防のために退職の申し出があったときにどちらの退職なのか本人に意思を確認することも必要かと思っています。



メールや口頭でも申出も法的には有効



上記のような合意退職や辞職について退職の申出は原則、書面で行うべきであると思います。

ただし法的には口頭でも申出でも有効とされます。

しかし口頭でも場合、後から言った言わないのトラブルとなることもよくあります。

退職の意思表示を口頭でしかしない従業員への対応

またメールという手法でも申出も増加しているように感じますが、法的にはメールでの申出も法的には有効とされます。

メールでの退職届の提出は法的に有効か?

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